十六夜の厭世的雑録

人生をそんな深刻に考えるな・・・永久に続くものじゃないんだから。

神無月

吹き荒れていた台風24号が、夜半に通り過ぎて行った。

今日から10月、秋本番である。

木々の葉が色づき、やがて錦秋の候となる。


太宰治の「ア、秋」という作品がある。
創作ノオトのような、あるいはネタ帳のような短い一編である。


秋ハ夏ノ焼ケ残リサ。
夏ハ、シャンデリヤ。秋ハ、燈籠。
コスモス、無残。


秋はずるい悪魔だ。
夏のうちに全部、身支度をととのえて、せせら笑ってしゃがんでいる。


太宰らしい言葉が並んでいる。


芥川龍之介も「秋」という短編を書いている。
姉妹と幼馴染の従兄をめぐる三角関係の心理描写がじつに上手い。


芥川龍之介の「秋」を読むと、竹西寛子の「五十鈴川の鴨」を思い出す。
どちらにも、淡い静謐を感じる。
静かな秋の夜にぴったりの本である。


10月は、好きだけれど、嫌いな月でもある。
なぜなら、自分の生まれた月だから。
複雑な気持ちが、空回りするのだ。


アメリカンブルー