十六夜の厭世的雑録

人生をそんな深刻に考えるな・・・永久に続くものじゃないんだから。

涙とともに

「涙とともにパンを食べた者でなければ、私の心は開かない」


誰の言葉か忘れたが、おそらくゲーテの
「涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の本当の味はわからない」
が、土台にあったのだろう。



苦しんでいる人に向かって、「あなたは必要とされている」「この世に必要ない人間などいない」「もっと苦しんでいる人もいる」という人がいる。


たしかに、正論である。
しかし、正論であるがゆえに、相手を深く傷つける。
そんなことは、本人だって解っているのだ。


そのようなことを言う人は、往々にして自分は正しいと思い込んでいる。
だが、涙とともにパンを食べたことがあるのだろうか。


私が自死遺族となったのは、10歳の時だった。
種田山頭火も、10歳で同じ体験をしている。


私が放哉より山頭火に魅かれるのは、似たような苦しみを味わったせいかもしれない。
そして、その苦しみは一生消えることはないであろう。


「うどん供へて、母よ、わたくしもいただきまする」 種田山頭火


テッポウユリ