十六夜の厭世的雑録

人生をそんな深刻に考えるな・・・永久に続くものじゃないんだから。

イヤリング

そっとすくいとった
哀しみのかけらは
てのひらからこぼれて
透明なイヤリングになった


涙のようなイヤリングの中に
私は 寂しそうなきみの横顔を見た


ほおづえついて
なにか考えごとをしているきみの耳に
水滴のようなイヤリングがついていたね


あれから何年たったのだろう


時は無情にも
すべてを押し流してしまった
再び あの日がめぐってくることは もうない


自己憐憫という名の
甘ったるい川を渡ると
そこは いちめんのダリア畑


ダリアの花の中に
きみのイヤリングが一瞬ひかり
そして 消えた


あとは ただ
むせかえるような ダリアの 花 花 花